「トランセンド法」って知ってる?
「平和学」と呼ばれる、平和を学問としたものが存在する。
平和学(へいわがく、英語:peace studies)とは、諸国家間の紛争の原因、それが起こりうる背景や経済、地政学的な理由から、紛争回避の手立て、方法、平和の維持とその条件などを科学的に研究する学問である。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%92%8C%E5%AD%A6
この定義からもわかるように、平和学はあくまで平和⇔戦争と捉え、「紛争解決」のための学問と言える。いずれにせよ『本気で平和を目指す』者としては絶対に勉強するべき学問だと思った。
そこで、この記事ではその平和学の中でも「トランセンド法」という一つの対立解決策についてまとめたいと思う。
トランセンド法とは??
トランセンド法とはヨハン・ガルトゥング氏が提唱した、対立の平和的解決を目的とした考え方。
当事者間の妥協点を超え、対話を通じて双方の目標や心情を理解した上で共感し、対立や矛盾を非暴力的・創造的に超越することによって、両者が協力し将来にわたって続く良好な関係へと転換させるための発想法。別名「超越法」とも呼ばれる。
参考:http://www.pref.osaka.lg.jp/jinken/work/kyozai05_04_02.html
上記の図からわかるように、
1がA側の目標のみが達成される状態。
2がB側の目標のみが達成される状態。
3は「双方撤退」と呼ばれ、A、Bどちらも不満のまま対立が終了することを指す。
4は「妥協点」と呼ばれ、AにとってもBにとっても最良の結果ではないが、妥協できる案のことである。
そして5がトランセンドであり、A、双方が100%の満足度を得られる状態である。
トランセンド法とは、あらゆる対立の中で5を目指す発想法である。
・・・例えば!
AとBが兄弟で、1つのみかんを取り合っているとする。
上記の図から考えれば、Aが独り占めして食べれば1、Bが独り占めして食べれば2になる。3はケンカしたことを怒られ親にみかんを奪われた場合、4は半分個してしまったと考えられる。
普通の対立で考えれば4の妥協を目指し、それで十分では??と思われるだろうが、トランセンド法では「発想のジャンプ」をし、未来に渡ってAとBが協力し、友好的な関係を築けるような方法を考える。
さて、トランセンドである5にはどんな方法があるだろうか??
初めてトランセンド法を知る人からすれば、「え!そんなのあり?!」というものがあるかもしれない。いくつか例を上げたいと思う。
1.みかんの種を植えて、2人でたくさん食べられるようにする
この方法を使えば、兄弟は協力してみかんの木の世話をすることができ、またその中で兄弟の絆は深まる。そして時間はかかるかもしれないが、みかんが実った時にはたくさんのみかんを楽しむことができ、また兄弟だけではなくよりたくさんの人とみかんを楽しむことができる。
2.みかんゼリー、みかんケーキを作って一緒食べる
お母さんにみかんゼリーやケーキの作り方を教えてもらい、みんなで食べる。この方法を取れば兄弟はみかんを更に楽しむことができる上に、料理の練習をすることもできる。
このように、あらゆる対立においてトランセンド法は応用が可能である。
『トランセンド研究会』http://www.wako.ac.jp/~itot/tran/index.html
僕も初めてトランセンド法を学んだ時には驚いた。まさかそんな方法がありなのか?!(笑)と。
だがあらゆる対立を解決するためにはかなり有効的な考え方だと思う。対立は大きな紛争から毎日のちょっとしたケンカまで、私たちの生活から切っても切り離せないものである。
平和学では「対立はチャンス」と考える。
トランセンド法を活用して、平和的な提言をしていきたいと思う。